ねずさんの日本の心で読み解く百人一首(その1)①

2019年8月16日

岡野俊昭氏と小名木善行氏の対談シリーズ、第1回目です。

岡野氏のアイコンをコアラ、小名木氏のアイコンをパンダにしています。


 

岡野氏
岡野氏

こんにちは。

今日はですね、私の友人・小名木さん、ブログでは「ねずさんのひとりごと」で有名ですけれども、彼がですね、なんと素晴らしい本を作ったんです。

まさにですね、百人一首をですね、今までのどんな学者もできなかった、まさに日本人の心をですね、しっかり訴えていることを、ねずさんは他の学者とは違った角度からキチっと正確に、そしてしかも子供からまさに学者までが理解できる、あるいは似非学者は嫉むかもしれませんけれども、本当に素晴らしい内容のものが今度作られました。

こういう本でございます。

ねずさんの 日本の心で読み解く「百人一首」
岡野氏
岡野氏
それでは、小名木さん、この本を作られた動機は? 
                   

小名木氏
小名木氏

今日はよろしくお願いします。

お招きいただきまして、本当に光栄でございます。

本当にありがとうございます。

この本を作ったキッカケでございますがね、あの~日本を取り戻すっていうのがまぁ運動、ひとつの大きなテーマです。

日本を取り戻すというのは、経済を取り戻せばそれで日本が返ってきたことになるのか。

あるいは、憲法を取り戻せば、日本が返ってきたことになるのか。

たぶん、それだけではない。

日本という、日本人という、その国の形を取り戻すこと、心を取り戻すこと、というのがおそらく、日本と取り戻すってことになる。

じゃ、それをどの時代のどういう切り口からアプローチすれば一番有効なんだろうか、っていうのがまぁ一つの大きなテーマなんですよね。

その中にあって、例えば近現代史の話ですともうすぐ、その、戦争は~というふうに拒否をされてしまう。

で、一番原点になるのがやっぱり古事記・日本書紀という神話の世界だと思うんですけれども、神話の世界まで行っちゃうと、もう、あれは神話だから…(笑いながら拒否されるジェスチャー)

いゃいゃ、その神話が大事なんですと言ってももう、会話にならないんですよね。

じゃぁ、江戸時代はどうなのかっていうと

「いゃ、江戸時代っていうのはもう武士が威張りかえっていて」

「いゃ、ぜんぜんそうじゃないんですよ。」

と、対立状態から、それを緩和してくっていう、していかざるを得ない。

これは困っちゃったな~どうしたらいいかなと思ったところに、今一番、非常に人気のあるが百人一首、これが漫画の影響もあって全国で百万人のファンがいるんだそうですね。

で、百人一首に関してはこれ右も左も関係なく、百人一首といえば

「あ~素晴らしい詩だな」

「あ、素晴らしいね」

まず、素晴らしいねというところから皆さんこう会話に入っていく。

これは、非常にこう抵抗感なく日本という国の形をご理解いただくにはいいんじゃなかろうか、っていうことで、百人一首を、全部じゃぁ解説してやろう、いうことで本にさせていただいたわけです。

岡野氏
岡野氏
いゃ~私はね、この動機の中にね、お子さんが百人一首に興味持つように本を買い与えたらという話聞きましたが、それはどんな感じだったのですか?
小名木氏
小名木氏

まぁ、孫が六人いて、その孫に本でも買ってやろうと思って書店さんに行って、そうしたところがその、一昔前なら偉人伝とかですね、素晴らしいその童話みたいなものがいっぱいあったんですけども、今置いてないんですよ。

とにかくに、桃太郎すらない。

岡野氏
岡野氏
アッ、そうですか。
小名木氏
小名木氏

ないんです。

桃次郎だっていいうんです。

で、桃子さんだって。

要するに、桃太郎っていうのは鬼を退治した悪い奴だから、桃太郎をやっつけた弟の桃次郎がいいやつなんです。

なんだろうな~それはと思うんですけど。

岡野氏
岡野氏
文化破壊ですね。
小名木氏
小名木氏

文化破壊。

だから、まともな本が全然ないんですね。

たまたまお正月で、児童書コーナーをグルって回って行ったら百人一首が置いてあって、解説本もあったんですよ。

で、漫画でわかる百人一首もあって、あ、これだったらいいんじゃないかな。

それで、手に取って中見たら「なんじゃ、こりゃ。これ、違うだろ。」

意味が全然違うわけですよ。

で、おかしいなと思って、ちょっと興味を持ってですね図書館に行って、まともな学者さんのかいた百人一首、本がいっぱい出てますから、片っ端から手に取ってみたんです。

どれもダメなんですよ。

なんで?

どうしたら、そんな意味になる?

たとえば、一番の天智天皇の御製(ぎょせい)があって、

秋の田のかりほの庵(いお)の苫(とま)をあらみ我が衣手は露に濡れつつ

天智天皇が粗末な家に案内されたところ、雨漏りがしてわが衣が露に濡れた、って怒っている詩だっていうんですよ。

子供が聞いたら、なんだ天皇ってクレーマーかい。

モンスターペアレンツかい。

って、思っちゃうじゃないですか。

僕なんかが教わった百人一首は全然違うんですよね。

この歌は、天皇自ら、その一般の民衆の家に泊まって同じように働いていらっしゃる、とってもありがたい詩なんだと。

我が国の頂点におわす天皇が政治権力を振りかざすんじゃなくて、自ら率先して農作業をしてらっしゃる、で、自分の手も衣も夜露朝露に濡らしてる。

夜露朝露ってことは、朝早く夜遅くですよ。

岡野氏
岡野氏
えーそうですね。
小名木氏
小名木氏

ね、日中は御公務がある。

だから朝早く夜遅くに、手をビショビショにして袖まで濡らして、粗末な庵に入って藁を編んでらっしゃる。

天皇でさえ、天皇陛下でさえそうやってやってるんだと、お前ら~ガキのくせしてそこらへんで遊んでいるっていうのは何事だって。

岡野氏
岡野氏
いや実はですね、そういう感性っていうのは、学者じゃなくて、苦労したり野山を飛び回ったり、そういう農作業したとか我々経験ありますけど、そういう人のほうがわかるんですよね。
小名木氏
小名木氏
ですよね~
岡野氏
岡野氏

だから、天皇陛下が一般の方を大御宝(おうみたから)っていう。

それから、昔から民のかまどが煙が上がってなければ、もうこれでは税を取れない、とかね。

世界でたった一つ、日本の天皇だけはまさに質素な暮らしをして、塀もなくそこにくらしてて一度も襲撃されてないんですよね。

小名木氏
小名木氏

ですよね~

あの~その民のかまどかまどの話といえば、仁徳天皇じゃないですか。  

仁徳天皇は三年間税を免除して、かまどからもうもうと煙が立ち上るようになった。

もうここまでくれば税をとってもいいでしょうと言われたけれども、いや駄目と。

もう三年我慢してくれないかと。

で、もう三年我慢した。

そうしたところが、民はものすごく潤ったけれども、皇居はもうボロボロになってしまった。

その時に、民が陛下に感謝して、仁徳天皇に感謝して、で、自ら率先して皇居に行って皇居の修復をしたっていうのが、これ日本書紀に書かれているわけですよね。

ただ税を免除しただけじゃなくて、免除していただいたことに民衆が感謝するっていう。

これで一つの物語になっているわけです。

岡野氏
岡野氏

諸外国だったらね、王様はずっと恨まれ続けますよね。

ところが日本の場合は、民衆がね、もういい加減にして私たちに作らしてくれとやるわけですから、世界に例ないですね。

小名木氏
小名木氏

これがですね、百人一首の中に詩がはいってるんですよ。

仁徳天皇じゃないですよ。

大中臣能宣朝臣という、49番歌かな。

御垣守(みかきもり)衛士(えじ)のたく火の夜はもえ昼は消えつつ物をこそ思へ

御垣守っていうのは、皇居の番人、衛兵ですよね。

皇居の番人っていうのは、朝廷からお金を貰っている人たちではないわけですよ。

一般の民衆が皇居に勤労奉仕にやってきて、その人が、君は元気よさそうだから門番やりなさい、と言われて、で門番をやっているわけですよ。

それが凄く誇りで嬉しくて、一晩中かがり火絶やさない。

昼間はかがり火はもちろん消しますけれども、もう、姿勢を崩さない。

これそ、これを考えようじゃないかと。

俺たち貴族はその民衆の思いを受け止めようじゃないかっていうのが、大中臣能宣朝臣の歌なんですね。

彼は、伊勢神宮の祭司なんですよ。

そういう人が、詠んだ歌。

すごいなんか、あ~そうだよなってわかるじゃないですか。

だから、仁徳天皇の免税に対する民の恩返しっていうことと、ソウソウ?通じているわけです。

ところが、今どきの解説、どの本をご覧いただいてもいいです。

どの本全部ご覧いただいてもいいです。

この歌は恋の歌ですと書いてあります。

岡野氏
岡野氏

書いてありますね。

いや、私はね、まさに小名木さんに飲んでるときこの話を聞いて、それからね実は調べてみたんです。

そしてら、やっぱり本の通り、ひどいな~と。

俺はこれでずっと学んできたんだな~と。

つくづく思いました。

有難うございました。

やっぱり、こういうふうにしてですね、日本の伝統文化とか戦前の教育のよさとか、それから日本の古代の人たちのその感性の鋭さ、それから奥深いものがあって、こういうものも編纂されてると。

そういう意味ではね私はね、解釈だけじゃなくて、配列まで、そこまで持ち込んできたっていうのは凄いことだと思いますね。

小名木氏
小名木氏

あの、百人一首っていうのは、百人一首の暗号とかいう本がね昔売れましたけど、百人一首っていうのは百人の歌人の百首の歌を並べることによって全部で一首の歌とした一大叙情詩ですね。

だから、一番の歌から順番に詠んでいくと、その、そこに描かれている五百年の天皇と貴族の政治、そして安定した世の中っていうものの姿が、誰にでもちゃんとわかるように配列されている。

これはね~、藤原定家は天才だと思いますね。

岡野氏
岡野氏

私はね、小名木さんがこれをお書きにならなかったらですね、まさに紫式部がね、もっと上手い詩あったのにって58番か何かにありましたね。

あの~、めぐりあいて、ね。

あれをね~、こうパッといってこれは、この人はもっと上手い詩があるけど、これは58番を選んだ、彼女のこの歌を入れたのは意味があるんだって書かれてますよね。

あれなんかもね、ちょっと私、見ただけでね、いや着眼点が凄いな~って。

小名木氏
小名木氏

いや、凄くないです。

むしろ、藤原定家っていう、ある意味天才歌人ですよね。

その人が、いろんな数ある式部の歌の中で、この歌を選んだ、そこには意味があるに違いないっていうふうに素直に受け止めればいいわけで、あれはその、もっといい詩があるのにね、こんな歌を選びやがってと、藤原定家はアホに違いないと、そういうつまらない捉え方をするから、だから・・・

だって、もしですよ、自分が死んだ後に、自分のことさんざん馬鹿にしてね、で好き勝手なことを言ってる連中がいたら、その人に何か教えてあげようと思います?

岡野氏
岡野氏

思いませんね~

絶対思わないですね。

小名木氏
小名木氏
素直な気持ちで、もうほんとに教えを乞うんだっていうふうな姿勢に立ったら、もうほんとに先人たちはね次から次へといろんなことを教えて下さる。
岡野氏
岡野氏

そうですね。

そういう意味では私は今日ですね、急遽自分の時間をですね、小名木さん変更させていただいたのをほんとに私誇りに思ってる。

良かったなと思います。

ほんと、有難うございます。

では、最初の部はこれにて終了させていただきます。

@AJER2015.5.22


編集後記

古事記は色々勉強しましたが、百人一首は手付かずでした。

チャンネルAJERでは、百人一首解説動画もありますので、順に記事にしていく予定です。

これを機に百人一首の勉強をしようと思いました。

百人一首を通して、私たちが生まれた日本という国の歴史を知ることができると思います。

ところで、桃次郎は初耳でした。

なんだか、日本は大丈夫なのかと思ってしまいます。

これから日本を担う子供たちのために、日本の教育が、いつか正しく方向転換していくことを望みます。